宿便がたまるのは、大人だけではありません。赤ちゃんや子どもたちも、宿便がたまります。
また、腸の力が弱った高齢者も、宿便がどんどんたまってしまう傾向にあります。
宿便の出し方にはいろいろありますが、抵抗力や体力がない子どもや高齢者が使う場合、どれが安全で、体にやさしいのだろう?と迷ってしまいますよね。
そんなときに、まずおすすめできる宿便の出し方は、「オリゴ糖」です。
この記事では、宿便とオリゴ糖について、詳しく解説していきます。
赤ちゃんや子どもたちにも増えている宿便
最近、赤ちゃんや子どもたちに、宿便がたまっているケースが増加しているといわれています。
赤ちゃん・子どもたちの腸から善玉菌が減っている
その原因は、食生活の変化によってお母さんの母乳の栄養価が下がったり、粉ミルクが普及したりして、十分に善玉菌を増やすことができないからと考えられています。
宿便がたまって、なかなか出ない便に苦しんでいる姿を見るのは、親としても心が痛むものです。
どうしようもないので無理やり浣腸や座薬で出している、というお宅もあるでしょう。
しかし、それではますます、腸内環境が悪化して、宿便がたまっていくことになります。
腸内環境が悪化するとアレルギーの原因にもなる
「便秘」というと、重病でもないので軽く考えがち。しかし、宿便がたまって便秘になっている場合、その腸内には悪玉菌が増殖しています。
腸内は、免疫細胞が集まっています。
腸内環境が悪化すると、免疫力が下がるため、花粉症やハウスダストなどのアレルギーが発症しやすくなるといわれています。
また、すぐに風邪をうつされてしまい、年中、体調を悪くしている場合も、免疫力が低下していると考えた方が良いでしょう。
早いうちに宿便体質を脱することが重要
もし、赤ちゃんや子どもの頃に便秘がちで、宿便がたまってしまう場合は、できるだけ早く、宿便体質を脱することが重要です。
そうしないと、大人になってからも、いつも便秘がちで、宿便がたまっている状態になってしまいます。
まだ器官が未熟な子どもの頃から、腸の中にたっぷりと善玉菌を増やしていくことが、一生きれいな腸で健康に過ごしていくことにつながっていきます。
高齢者は宿便がたまって老化が進んでしまうことも
一方、胃腸の衰えをきっかけに、便秘が悪化しやすい高齢者にも、宿便の蓄積が見られます。
赤ちゃんや子どもと同じように、宿便がたまって免疫力が低下すれば、体調不良を起こしやすくなります。
高齢者の場合、ちょっとした風邪が引き金となって肺炎になり、入院が必要になるケースも多くありますから、注意が必要です。
毒素の蓄積にも要注意
高齢になると、認知症予防として脳に良い食べ物を食べたり、頭の体操を積極的に行ったりしている人も多いでしょう。
そんな方に注意して欲しいのが、体内への毒素の蓄積。
体内に毒素がたまると、活性酸素という老化物質が大量発生して、心身の老化が急速に進んでしまうことがあるのです。
宿便には、毒素が大量につまっています。時間が経つと、腸から吸収されて全身に毒素が回ってしまいます。
すっきりクリアな頭と体を維持していくためには、体内をきれいに保つことに心を配りましょう。
年齢を重ねても、毎日快便は可能!
ところで、若い頃は毎日快便だったのに、年を重ねるとともに宿便がたまり始めた場合、「もう年だから……」と諦めてはいないでしょうか。
医者に相談しても、下剤を渡されて、下剤でなんとか出す日々を繰り返しているとしたら、要注意です。
年齢を重ねても、下剤に頼らずに、すっきりと毎日お通じがあって、宿便がまったくたまらない腸を維持することは、十分に可能です。
そのためには、腸の健康を意識して、宿便の出し方を実践していく必要があります。
赤ちゃんから高齢者まで、すべての人におすすめの安全な宿便の出し方としては、「オリゴ糖」があります。
オリゴ糖とは何?
「オリゴ糖」という言葉自体は、多くの人が聞いたことがあると思います。
なんだか、体に良さそうなイメージがあるオリゴ糖。
では、具体的に「オリゴ糖って、何ですか?」と聞かれたら、返事に困ってしまう人も多いのではないでしょうか。
オリゴ糖は、「糖質」の一種です。糖質は、大きく3種類に分けられます。
・単糖類
・少糖類
・多糖類
単糖類は、最も小さな単位で、ブドウ糖や果糖がこれに当てはまります。
少糖類は単糖が2〜10個結合したもの、多糖類は単糖が10〜数千個結合したものです。
オリゴ糖は、このうちの「少糖類」にあたります。「オリゴ(oligo)」というのは、ギリシャ語で「少ない」という意味なのです。
オリゴ糖の中にもいろいろな種類がある
少糖類の一種であるオリゴ糖ですが、その中でも、原料によってさまざまな種類があります。
その一例を表にしたものが、下記となります。
原料 | オリゴ糖の種類 |
デンプン | マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、リン酸化オリゴ糖、 |
ショ糖 | フラクトオリゴ糖、パラチノースオリゴ糖 |
乳糖 | ガラクトオリゴ糖、α-結合ガラクトオリゴ糖 |
その他(大豆、甜菜、寒天など) | 大豆オリゴ糖、キシロオリゴ糖、キトサンオリゴ糖、寒天オリゴ糖、アガロオリゴ糖、チコリオリゴ糖、コーヒー豆マンノオリゴ糖 |
オリゴ糖の効果って?
オリゴ糖は、1980年頃から開発が進められ、さまざまな体に良い効果があることが分かって、今では健康食品として多くの人に愛用されています。
代表的な効果として、次のようなものが挙げられます。
(1)虫歯の原因にならない
オリゴ糖は、虫歯の原因菌であるミュータンス菌の栄養にならず、虫歯になりづらい糖質として知られています。
当初は、「虫歯になりにくい甘味料」として開発されていたという経緯があります。
(2)腸にそのまま届く
オリゴ糖は、唾液や胃酸、すい液などで分解されないので、そのまま腸に届きます。
そのため、エネルギーになりにくく、血糖値を上げにくい特徴があります。
これは、ダイエット中の人や、糖質制限中の人にとっては、うれしいポイントです。
(3)善玉菌のエサとなる
腸にそのまま届くオリゴ糖は、さらに、善玉菌たちのエサとなります。これがまさに、宿便にダイレクトに効く効果となります。
オリゴ糖は、腸内にすでに生息している善玉菌の数を増やすので、効率的に善玉菌を増殖させることができ、かつ、定着もしやすいのです。
オリゴ糖が安全で体にやさしい理由
前半で、最近は母乳の栄養価が下がり、宿便がたまりやすい赤ちゃんが増えていることについて触れました。
実は、オリゴ糖は、母乳にも含まれている成分なのです。
私たちが生まれて初めて口にする、最も安全で、最も体にやさしい飲み物である母乳。
そこへ含まれているオリゴ糖は、赤ちゃんからお年寄りまで、すべての人が安心して摂取できる糖質なのです。
また、虫歯の原因にならず、しかも低カロリーなことも、安心して取ることができる一因となりますよね。
もちろん、赤ちゃんを身ごもった妊婦さんにも、オリゴ糖は安心です。
妊娠中は、ひどい便秘に悩まされ、宿便がたまってしまう人も多いのですが、オリゴ糖を飲むことで、きれいな腸を維持することができます。
お母さんの腸がきれいなら、お腹の中の赤ちゃんもすくすくと健康に育っていきます。
オリゴ糖はどうして宿便の出し方として優秀なの?
「北風と太陽」というイソップ寓話がありますが、オリゴ糖はまるで、太陽のような存在です。
オリゴ糖は、下剤などのように、無理やり宿便を引っ張り出すようなことはしません。
「宿便が自然と出たくなるような環境」を作り上げる宿便の出し方なのです。
この宿便の出し方は、「一度限りではなく、半永久的に宿便がたまらない腸を作る」という意味で、非常に優秀です。
今たまっている宿便をとりあえず出すだけなら、割と簡単なことです。
しかし、宿便を出したきれいな腸を、ずっと継続していくこととの方が、ずっと難しい。
体にとって無理なことを一切しないオリゴ糖による宿便の出し方なら、するんと宿便が出たら、それから毎日すっきりとお通じが続いていきます。
しかも、やることといったら、甘くておいしいオリゴ糖を、ヨーグルトや紅茶に入れて飲むだけ。
赤ちゃんでも、高齢者でも、誰でも簡単に毎日続けられるところも、うれしいですよね。
宿便の出し方としてのオリゴ糖の選び方
さて、早速オリゴ糖で宿便の出し方を実践するぞ!と思ったときに戸惑うのが、「どのオリゴ糖が良いの?」ということです。
オリゴ糖には、たくさんの種類があって、迷ってしまう人が多いでしょう。
より効率的に宿便の出し方に取り組むためには、「配合されているオリゴ糖の種類と数」に注目してみてください。
オリゴ糖によって善玉菌の好き嫌いがある!
オリゴ糖は、ビフィズス菌をはじめとする腸内の善玉菌のエサとなります。
この善玉菌は、腸内に数百〜千種類以上も存在しています。ビフィズス菌だけでも、30種類以上、存在しているのです。
せっかくオリゴ糖を腸に送っても、自分の腸に生息している善玉菌と相性が悪ければ、スムーズな宿便の出し方ができません。
時々、「オリゴ糖を取ったけれど、宿便が出なかった」という人がいますが、それは、オリゴ糖と自分の腸にいる善玉菌の相性が悪かったということなのです。
何百種類もある善玉菌と、何十種類もあるオリゴ糖の相性を一つ一つ確かめることができれば良いのですが、それは不可能というもの。
そこでおすすめなのが、あらかじめ腸に生息する善玉菌との相性を考えて、複数のオリゴ糖がブレンドされているタイプのオリゴ糖です。
これなら、この一つを飲むだけで、腸内に生息するさまざまな善玉菌へアプローチできます。
自然由来で高純度のオリゴ糖を選ぼう
オリゴ糖はとても安全性が高いものですが、安価なものには化学的に合成されたオリゴ糖もあります。
北海道の甜菜や牛乳などの、自然由来の原材料を使用しているオリゴ糖を選ぶようにしましょう。
また、スーパーなどで売られているオリゴ糖シロップは、よく見ると半分以上が普通の砂糖シロップの場合があります。
つまり、「砂糖シロップにオリゴ糖が混ざっている」という状態です。
これをオリゴ糖のつもりで摂取すると、カロリー過多も心配ですし、血糖値も上がってしまいます。
「高純度」で、オリゴ糖の配合率が100%か、またはそれに近いものを選ぶように注意しましょう。
おすすめのオリゴ糖の取り方
オリゴ糖は、料理に使ったり、飲み物に入れたりと、いろいろな使い方ができます。
その中でも、宿便の出し方としてオリゴ糖を取るときには、ヨーグルトとの組み合わせがおすすめです。
ヨーグルトには乳酸菌が含まれているので、オリゴ糖とダブルで腸内の善玉菌を増やす働きをしてくれるのです。
ちなみに、オリゴ糖と善玉菌の相性がある、と先ほど述べましたが、ヨーグルトに含まれる乳酸菌も、人によって腸との相性があります。
「CMでやっていたから」「新商品だから」という理由で、安易にヨーグルトを選んでいませんか?実は、その人によって、合うヨーグルトは違うのです。
家族でも異なりますから、大パックを買って家族全員でシェアするよりも、それぞれ自分に合う乳酸菌が入ったヨーグルトを食べるようにした方が、宿便の出し方としては適しています。
ヨーグルトの他にも、次のようなアイディアでますます腸が健康になっていきます。
・「漬け物」の漬け材料に砂糖の代わりに使う
・食物繊維たっぷりの「おからクッキー」に入れる
・ジュースとオリゴ糖をゼラチンで固めて「ゼリー」を作る
ぜひ、毎日の食生活に取り入れることで、宿便の存在しないイキイキとした腸を育てていきましょう。
まとめ
宿便の出し方をしっかり実践したいけれど、負担が大きい方法は選べない……。
そんな、赤ちゃん・子ども・高齢者・妊婦さんなどには、ぜひオリゴ糖での宿便の出し方をおすすめします。
私も試してみた結果、宿便は出ませんでしたがスルッと快便が出ました