宿便を「とにかく今すぐに出したいっ!!」というときに、下剤を飲む人は多いかもしれません。
私も、今まではそのクチでした。
下剤を飲むと、確かに半日〜1日程度で、「ドババババーン」と便は出るのですが、しかし、激しい腹痛と戦わなければなりません。
それなのに、肝心の宿便の出し方としては、効果が今ひとつだったりします。
そこで、私が目を付けたのが、「腸内洗浄」です。
お尻から液体を1リットル??謎の腸内洗浄って?
女性たちの間では、もう何年も、「デトックスブーム」が続いているといいます。
その最たるものが、この「腸内洗浄」です。
お尻から、1リットルの液体を腸の中に流し込んで、直接、腸を洗浄してしまうという方法です。
なじみがない人にとっては、「ギョッ」としてしまいますよね(私もはじめはそうでした)。
しかし、詳しく調べてみると、腸内洗浄の愛好家が、実は多いことに驚かされました。
健康管理に気を遣う政治家、美肌で有名な女優、体型キープのダイエットをしているモデルなど、最先端を行く人たちが取り入れている、れっきとした健康法なのです。
腸内洗浄のメリットは、なんといっても即効性。その場ですぐ出る!
腸内洗浄のメリットは、なんといっても、「即効性」です。
お尻から液体を入れて、5分程度したら、その後、すべてを排出します。
どんなに即効性のある下剤でも、効き始めるまでに数時間以上はかかりますから、この「出の早さ」は、魅力的です。
腸内洗浄は、浣腸と何が違うの?
「即効性」と聞くと、「浣腸だってすぐに出るじゃない」と思う人がいるかもしれません。
浣腸と腸内洗浄には、
・浣腸:直腸(肛門のすぐ近く)にある便しか出せない
・腸内洗浄:腸の奥の便までごっそり出せる
という、大きな違いがあります。
浣腸は、直腸まで下りてきた便を出すだけ。宿便がたまっている、腸の奥まで効果が波及しないので、宿便の出し方としては、まったく役に立ちません。
一方、腸内洗浄は、大量の液体を肛門から入れることで、腸の奥まで、すすぐことができます。
宿便がたまって悩んでいる私に、ぴったりというわけです。
さっそくチャレンジ!セルフ腸内洗浄の詳しい体験レビュー
調べれば調べるほど、腸内洗浄への興味がそそられた私は、さっそく腸内洗浄にチャレンジすることにしました。
腸内洗浄には、クリニックで行うという手もありますが、それは恥ずかしいし、お金が何万円もかかります。
そこで、自宅でできる、セルフの腸内洗浄をやってみることに決めました。
とはいえ、セルフ腸内洗浄に必要な道具は、身近な店頭では販売されておらず、ネットで取り寄せるしかありません。
ネットでも、販売業者が極端に少なく、私が調べた限りでは「スリムエネマ」一択でした。
まずは道具をそろえて準備
スリムエネマをネット注文してから数日後、無事にセルフ腸内洗浄キットが到着。
※届いた一式
※箱を開けた中身
・つり下げ式のシリコンバッグ
・ホース
・軽量カップ
・ドアフック
・潤滑ジェル
が付属していました。
初めての腸内洗浄は、わからないことだらけですが、詳しい説明書が付いていたので、それを見ながら準備を進めます。
まず、「体温程度のぬるま湯を準備する」と書いてあったので、準備中に冷めることも考慮して、40度のお湯を計量カップで計りました(給湯器の温度を40度に設定しました)。
量は、「800〜1,000mL」「無理せずに初めての方は300mL程度から」と書いてありました。
少し迷いましたが、初回からしっかり効果を実感したかったので、600mLで試してみることにしました。
いざ、肛門から注入!
これで、準備完了です。いよいよ、肛門から注入します。
説明書に書いてあった通り、トイレに移動します。
トイレのドアに、付属のドアフックをかけ、そこへシリコンバッグについているS字フックをかけます。
シリコンバッグに600mlのお湯を注いでいきます。これだけの量がお尻から入ると思うと怖いようなドキドキがしてきました。
そして、潤滑ジェルをホースの先端に塗って、肛門へゆっくりと入れていきます。
最初は怖いと感じましたが、潤滑ジェルのおかげで、すんなりと入れることができました。
ストッパーを外すと液体が腸に流れ込む
無事に肛門にホースの先端が入ったら、ホースの液止めクリップを外します。
すると、みるみるうちに、600mlあった液体が、500ml、400mlと腸の中へ吸い込まれていきます!
不思議と、嫌な感じはしません。痛みもありません。
ただ、下腹部を見ると、だんだんと膨らんでいることがわかります。
数分ですべての液体がお腹の中へ
数分も経過すると、すべての液体が、お腹の中へと収められてしまいました!
再びホースの液止めクリップを閉じてから、ホースを抜きます(液止めクリップを閉じないと、ホースに残っているぬるま湯が飛び散るので要注意)。
ここで、マッサージをすることで、腸の奥の宿便まで出やすくなるそうです。
便座に座った状態で、宿便を押し出すつもりで、モミモミとマッサージしました。
しかし、1分もたたないうちに、強烈な便意が!
説明書には、「5〜10分マッサージすると効果的」と書いてありますが、とてもじゃないが持ちません。
しかし、「マッサージ中に痛みや強い排せつ感をもよおしたときは、我慢せず速やかに排せつしてください」という記載もあります。
そこで、排せつすることにしました。
気になる効果のほどは…??
排せつを始めて、最初に出てくるのは、先ほど入れたばかりと思われる液体ばかり。
シャーシャーと勢いは良いのですが、まったく宿便らしきものは出てきません。
単純に、大量に入れた液体が、そのまま出てきている感覚で、宿便の出し方としての手応えが感じられません。
事前に期待しすぎたのでしょうか……。
後半でようやく「ブツ」出現
ちょっとがっかりし始めた頃、後半になって、ようやく「固形のブツ」が出始めました。
どうやら、最初に液体が出るだけ出切ってから、その後に、奥に潜んでいた宿便が排出されるようです。
ここでマッサージも加えてみると、ポコポコと固形のものが出るようになりました。
そこで、恐る恐る、どんなものが出ているのか、のぞいてみると……、
おおおっ……。
出てます、出てます。宿便らしい真っ黒なものが、たくさん。
このときは、「すごい出し方だ!」と、ちょっと感動してしまいました。
イテテテテ…お腹が痛い!
しかしながら、「腸内洗浄は、まったくお腹が痛くならない」という事前情報を得ていたにもかかわらず、なぜか、私の場合は、後半で「差し込むような痛み」に襲われました。
多くの人は、痛みなく、スムーズに出産できるそうなので、宿便がたまりすぎている私の腸のせいかもしれません。
やはり、どんな宿便の出し方にチャレンジするにしても、ため込む前に出すということが、大切です。
後片付けしながらちょっと切なくなる
20分程度、トイレにこもっていたでしょうか。
もう出なくなったところで、腸内洗浄は終了です。
シリコンバッグやホースの片づけをします。
それらを洗浄しながら、妙に切ない気持ちになりました(なぜなのでしょうか……)。
腸内洗浄を宿便の出し方に使うメリット&デメリット
さて、ここからは、実際にセルフ腸内洗浄を試してみてわかった、メリットとデメリットをまとめていきます。
メリット
(1)即効性がある
まず第一のメリットは、やはり即効性があること。
「今すぐに、腸の奥まで出したい」となったら、即効性において腸内洗浄という出し方の右に出るものは、ないのではないでしょうか。
(2)見たこともないブツと出会える
成功すれば、「ボコッ!ボコッ!」と見たこともない固形のブツが、大量生産できます。
私はまだセルフ腸内洗浄に手を出したばかりの初心者ですが、何年も続けているベテラン勢になると、液体の量や腸への入れ方の角度、マッサージの方法、出すタイミングなどのベストが見つかって、腸内洗浄が上達していくようです。
(3)ダイレクトに宿便を洗い流している実感がある
腸内洗浄は、別名「腸のうがい」とも呼ばれるそうです。
確かに、直接、腸に液体を注ぎ込んで排出するので、腸を丸ごと洗っているような爽快感があります。
これは、腸内洗浄でしか味わえない実感です。
(4)健康法としても人気
賛否両論あるようではありますが、健康法として、絶賛している人も多くいます。
重い病気にかかった人が、民間療法として行うこともあるようです。
デメリット
(1)絶対に人に見られてはならない・知られてはならない
とにかく、腸内洗浄は、やっている姿が恥ずかしすぎます。
腸内洗浄をやっている最中に見られるのはもちろん絶対にNGですが、「セルフの腸内洗浄を自宅でやっている」こと自体、誰にも知られたくないと思うのが、普通の感覚ではないでしょうか。
そうなると、一人暮らしをしていて家に誰かが来ることもない人を除けば、
・腸内洗浄を行うタイミング
・腸内洗浄をした後の徹底した掃除
などに、細心の注意を払う必要があり、それ自体、ストレスになりかねません。
(2)準備と片付けが面倒くさい
即効性がうれしい腸内洗浄ですが、その即効性を得るための準備と片づけには、それなりの時間がかかります。
慣れた人でも、全行程を終えるのに30分程度かかるようです。不慣れな初心者では、1時間以上かかることもザラです。
「飲むだけ」のサプリなどと比べたら、正直、かなり面倒に感じることは、否めません。
(3)セルフキットの収納場所に困る
セルフキットの収納場所には困りました。
特に、洗浄して、乾くまでの間は、棚の中にしまっておくわけにもいきません。
入念に水分を拭き取ってから、しばらく浴室につるして乾かしました。
乾いた後は、目に付かないところにしまいますが、なんせ、お尻の穴の中に入れたものなので、日用品や洗濯物などに近い場所にしまうのは、抵抗があります。
結局、トイレの戸棚の中に収納することにしました。
しかし、ある程度、風通しが良いところにしまわないと、あっという間にカビが生えそうな気もして、気になります。
(4)常にリスクと隣り合わせ
腸内洗浄は、医療行為なので、常に慎重に行う必要があります。
例えば、高温の液体を腸に入れてしまうと、腸がやけどして壊死してしまうという、取り返しのつかないことが起きるリスクがあるそうです。
また、使用後の道具を清潔に管理しないと、雑菌が繁殖して、それが腸の中へ入る可能性もあります。
腸内洗浄に興味はあるけれど、しっかり管理ができるか不安な人は、セルフの腸内洗浄ではなく、クリニックでの腸内洗浄にチャレンジした方が良いでしょう。
(5)依存性がある
腸内洗浄は、宿便を自力で排便する出し方ではありません。
液体を大量に注ぎ込むことで、いわば、強制的に排出させる出し方です。
愛好者の中には、「腸内洗浄に依存性はない」と主張する人もいます。
しかし、実際には、腸内洗浄に頼りすぎて、腸内洗浄をしないとまったく出ない状態になってしまう人も、いるようです。
実際に試してみると、確かに、この宿便の出し方に慣れてしまったら、腸内洗浄なしには生きていけない体になりそうだと、納得しました。
(6)行う場所・時間が限られる
腸内洗浄なしで生きていけない体になってしまったら困るのは、腸内洗浄は、いつでもどこでもできる出し方ではないということです。
家族と一緒に暮らしている人なら、家族が外出するタイミングを狙う必要がありますし、人と一緒の旅行中に行うことは不可能です。
腸内洗浄の総合評価は★2.5!
出た宿便の量 | 3 |
即効性 | 5 |
継続性 | 1 |
安全性 | 2 |
使いやすさ | 1 |
価格 | 3 |
宿便の出し方として、腸内洗浄を捉えたときの、総合判定は、5点満点で<★2.5>です。
やはり、一番魅力に感じたのは、1時間以内に宿便が出てくるという即効性。
ただし、そのための準備や片づけの労力が大きいので、使いやすさは、かなりの低評価に。
また、細心の注意をはらって行わないと、体に重大なダメージを与えてしまうリスクがあるという意味では、安全性に不安が残ります。
これからチャレンジする人は、ぜひ、説明書を熟読して、正しい知識を得てから、実行するようにしてください。
価格的には、最初のキットを入手する初期投資で、7千円程度、かかります。
病院で腸内洗浄をしてもらうと、1回数万円の費用がかかることと比較すれば、セルフの腸内洗浄は、随分安いということになります。
セルフの腸内洗浄は、少々面倒なことにも丁寧に取り組むことができて、時間や場所に余裕がある人は、チャレンジしてみても良いかもしれません。